並行輸入品のブランド保護

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並行輸入品は比較的安価に流通する反面、模倣品の混入や品質劣化のリスクがあります
ここでは、法的解釈や権利侵害の境界線、ブランドを保護するための具体的な予防・対応策を解説します。

並行輸入品とは

並行輸入品とは、海外のブランドメーカーから正規のルートで輸入される正規輸入品とは別に、第三者が海外の正規販売店などで買い付け、別ルートで輸入した製品のことです。
対象の製品が海外で適法に販売されている真正品であれば、日本国内への輸入は原則として商標権侵害には当たらないと解釈されています。

しかし、正規代理店による品質保証やアフターサービスが受けられないケース、日本国内の法規制(薬機法や電気用品安全法など)に適合していないケース、保管状況の不備による品質劣化といった懸念が生じることも少なくありません。

ブランドオーナーにとっては、価格秩序の変動やブランドイメージ低下の要因となることがあります。

権利侵害に該当する事例

並行輸入品は真正品であれば合法とされる原則がある一方、特定の要件を満たさない場合や製品の状態に問題がある場合は、商標権侵害として差し止めや損害賠償の対象となるケースが存在します。

1. 製品が真正品ではない
(模倣品)場合

並行輸入品と称しながら、実際にはブランド権利者の承諾なく製造された非正規品を販売している事例です。
一部の不調法な業者は、消費者の警戒心を和らげるために「海外並行輸入品につき低価格」という説明を隠れ蓑にして模倣品を流通させます。

企業としては、これらの偽装された流通品を迅速に特定することが重要です。
客観的な検証結果に基づき、プラットフォームへの削除要請や法的措置を講じることで、消費者の誤購入リスクの低減に繋げます。

2. 内外の製品に実質的な相違がある場合

海外で真正品として流通している製品であっても、日本への輸入が権利侵害とされる場合があります。
具体的には、日本国内と海外の商標権者が別法人であり、両者間に資本関係や契約関係などの同一性とみなせる関係がない場合や、日本仕様の製品と海外仕様の製品との間に、品質・成分・内容において実質的な相違が認められる場合などです。

ブランドが果たす「品質保証機能」を損なう形で販売されていれば、商標の有する機能が阻害されていると判断され、税関での輸入差し止めや国内での販売停止が可能になるケースがあります。

企業が取るべき対応策

非正規ルートでの流通が拡大すると、正規販売店の販売意欲低下や顧客トラブルの増加リスクに繋がります。
そのため、企業は市場の動向を日常的に注視し、戦略的な対抗措置を講じる必要があります。

市場状況の把握と実態調査

自社製品がどのチャネルで、どの程度の価格で非正規に流通しているのかを正確に把握するための調査を実施します。
主要なECモールやフリマアプリを定期的に巡回し、特定の事業者が大量に並行輸入品を扱っていないか、その製品が国内の法規制を遵守しているかなどを精査する手順です。

必要に応じて試買(テスト買い)調査を行い、製品のロット番号やシリアルコードから流出元を特定。
製品の状態を確認・記録することで、今後の法的対応や流通是正のための証拠蓄積を進めます。

社内体制の強化と備え

調査結果に基づき、社内の模倣品・非正規流通対策マニュアルを整備し、有事の際の初動を迅速化させます。
並行輸入品と称する製品が商標権を侵害していないか、あるいは不正競争防止法に抵触していないかを精査するための法務体制の強化が有効です。

また、顧客から「非正規品を購入したかもしれない」「不具合があるが保証を受けられるか」といった問い合わせが寄せられた際の、カスタマーサポート向けFAQを策定。
ブランドの信頼を維持する一貫した対応ができるよう備えを固めます。

継続的な監視と速やかな対応

AIを活用した画像検知ツールや監視代行サービスを利用し、不適切な出品をリアルタイムで検知できる体制を整えます
権利侵害が疑われる出品を発見した際は、即座にプラットフォーム側への侵害申告や販売者への通告書の送付を行い、放置しない姿勢を市場に示すことが重要です。

こうした対応を継続することで、悪質な転売事業者や非正規業者が自社製品を取り扱いにくい環境を構築し、市場の健全化へと繋げます。

企業が取るべき予防策

事後の対応だけでなく、並行輸入品や模倣品が選択されにくい仕組みをあらかじめ構築しておく予防策の徹底が重要となります。

公式ストアの開設による
正規ルートへの誘導

主要ECモールに自社の公式ストアを出店することは、有効な予防策の一つと言えます。
ユーザーが検索した際に信頼性の高い公式マークが表示される環境を整えることで、リスクのある並行輸入品ではなく、安心な正規ルートを選択するよう誘導しやすくなるためです。

公式ストア限定の特典やアフターサポート、正確な製品情報の提供を付加価値とすることで、非正規品との差別化を明確にします。

オウンドメディアを通じた
注意喚起の実施

消費者が並行輸入品にともなうリスクを正しく理解できるよう、積極的な情報発信を行います。
公式Webサイトや公式SNSを通じて、正規輸入品と並行輸入品における保証内容の違いなどを分かりやすく解説するアプローチです。

具体的なリスク事例を共有することで消費者のリテラシー向上を促し、安全な選択をサポートします。
このような啓発活動は、ブランドの誠実さを顧客へ伝える機会にもなります。

ホログラムや認証コードなどの物理的対策の導入

物理的な真贋判定ツールを製品に導入することで、消費者が手元の製品が真正品であることを即座に確認できる環境を作ります。
例えば、スマートフォンで読み取ると正規の製品登録や保証確認ができる固有のQRコード、あるいは複製が困難なホログラムシールをパッケージに貼付する手法が挙げられます。

非正規業者がパッケージを差し替えたり模倣したりすることを防ぐとともに、消費者に「この識別標識がないものは正規サポートの対象外」という認識を浸透させることで、ブランド保護につながりやすい環境を整えます。

自社製品に適した偽造防止対策を見つけるには

模倣品の手口が巧妙化する中、ブランドを保護するための技術も日々進化を遂げています。当メディアでは、ホログラムや特殊インク、スマートフォンを用いた真贋判定システムなど、多様な「偽造防止技術」の具体的な種類や対策方法を解説。

自社製品に合う偽造防止対策をしたい企業向けに、ホログラムシールや流通管理ができるおすすめの会社をピックアップしました。パッケージや製品に対して直接対策したいと考えている方はぜひチェックしてください。

税関や専門機関と連携した
水際対策の強化

権利侵害品が国内へ流入するのを防ぐため、税関への輸入差止申立を活用します。
模倣品だけでなく、権利侵害に該当する並行輸入品の特徴を税関当局と共有し、水際における検閲体制の強化を図るアプローチです。

あわせて、知的財産保護に関連する外部の専門機関と連携し、他社の被害事例や最新の摘発情報を共有。
自社単独では把握が難しい国際的な密輸ルートの遮断や、法改正にともなう実務の適正化など、より広範な防衛ネットワークを構築することが可能になります。

業界団体や行政機関との
協力体制の構築

模倣品や不適切な並行輸入品の流通問題は、一企業のリソースだけで対応しきれない場合もあるため、業界団体や関係行政機関との連携を深めます
業界全体で非正規流通排除の取り組みを推進したり、ルールの適正化に向けた情報交換を行ったりすることで、より強力な抑止力を発揮する仕組みです。

官民が一体となってブランド保護の機運を高めることは、悪質な事業者の活動を抑制するだけでなく、市場全体の信頼性を維持・向上させることにも繋がります。

並行輸入品にともなうブランド保護対策は重要ですが、オンライン上の状況を自社だけで監視し続けるのは容易ではありません。不審な流通の早期発見や適切な対応を進めるにあたっては、自動監視システムなどを備えた専門のサービス提供企業へ相談・委託することも有効な選択肢です。

【目的別】
模倣品対策に強い
会社おすすめ3選

「ECモールに見覚えのない出品者が現れた」「削除しても追いつかず、法的対応が必要になってきた」「自社を騙る偽サイトや偽アカウントが出てきた」…。インターネット上の模倣品被害は、大きく3つのパターンに集約されます。パターンによって取るべき対策が異なるため、目的別におすすめの会社を3社紹介します。

越境EC上の被害状況の
調査や出品停止
したい
サカタブランド
ソリューションズ
ソリューションズ
※画像引用元:サカタブランドソリューションズ公式HP
(https://sakatabs.com/)
こんな課題を持つ企業向け
  • 海外のマーケットプレイスで模倣品がどの程度取引されているか把握できていない
  • 非正規代理店の販売や模倣品が大量出品されており、対応に追われている
おすすめの理由
  • 海外を中心とした1,000のマーケットプレイスに対応※1。被害規模の市場調査から海外ECの削除申告※2、侵害セラーのプッシュバックまで代行。
  • トライアルからスモールスタートでき、削除申告の上限がないため、複数の業者による大量出品にも追加費用がかからない
削除の効果がないため
摘発・法的手段まで
進めたい
IP FORWARD
IP FORWARD
※画像引用元:IP FORWARD公式HP(https://www.ip-fw.com/)
こんな課題を持つ企業向け
  • 削除しても同じ業者が繰り返し出品してくるので、製造元から断ち切りたい
  • 出品停止依頼だけでなく、法的手段(警告書・訴訟・刑事告訴)まで一貫して任せたい
おすすめの理由
  • 弁護士・弁理士が在籍しており、オンライン監視や削除申請だけでなく、現地の工場調査や摘発まで任せられ、模倣品の根絶を目指せる。
  • 特に、中国や東南アジアにも拠点を持ち、証拠収集や摘発を含めた法的対応を行ってきた事例※3がある。
模倣品の温床となる
なりすましを削除
したい
GMO
ブランドセキュリティ
>GMOブランドセキュリティ
※画像引用元:GMOブランドセキュリティ公式HP
(https://brandsecurity.gmo/security/service/enforceone/)
こんな課題を持つ企業向け
  • SNSなどのメディアで取り上げられた後、偽サイト・偽アカウントが一気に増えた
  • 消費者から「偽物をつかまされた」「詐欺サイトに誘導された」と連絡が来ている
おすすめの理由
  • 模倣品の温床となる自社ECのなりすましサイト・SNSのなりすましアカウントを最短3日で削除できる。
  • なりすましサイトやSNSアカウントの削除のほか、コンテンツ所有者やドメイン権者への警告状送付、ドメインの使用取り消しや譲渡交渉などにも対応。

※1 参照元:サカタブランドソリューションズ公式HPより、2026年5月調査時点
※2 削除申告は海外のみ対応しています。日本では法律で規制されているため、自社の顧問弁護士を介してご対応ください。
※3 参照元:IP FORWARD公式HP(https://www.ip-fw.com/1870898