模倣品被害への対応は、まず市場における現状を正確に把握することから始まります。
どこで、どのように、どの程度の規模で非正規品が流通しているのかを精査し、客観的な証拠を確保した上で、行政・司法・法的なアプローチを組み合わせて対処することが重要です。
近年の模倣品被害は、ECモールや越境EC(海外通販サイト)の急速な普及にともない、より広範囲かつ潜在化された形で展開されています。
販売事業者側も法的摘発やアカウント停止のリスクを回避するために流通手口を変化させており、目視のみによる限定的な監視だけでは捕捉しきれない点が課題です。
真正品を模したパッケージや偽装表示を精細に施す一方で、オンライン上の出品時にはあえて商標(ブランドロゴなど)を画像から消去して掲載するなど、プラットフォーム側の自動検知システムや行政摘発をすり抜ける手口が散見されます。
デジタル市場の拡大により、模倣品が国内外の複数の市場へ同時に、かつシームレスに流通しやすい環境が構築されています。
特に、海外に拠点を置く販売事業者や現地の倉庫を経由して直接消費者に配送されるケースでは、販売停止措置や在庫の回収に多大な時間を要するだけでなく、国内の権利者が被害そのものを早期に認識することを困難にさせる要因となっています。
特許庁の「模倣被害実態調査」(政府統計)によると、模倣品被害を捉えている企業では、平均被害額が1〜2億円規模という事例が多く確認されており、一部では数億円にのぼるケースもあります。
自社が気づかないうちに、すでに国内外の市場で非正規品が流通している可能性も否定できません。
こうした潜在的な被害の有無を確かめるためには、定期的な市場調査やオンライン監視体制の構築が重要です。
しかし、複数のECモールやSNSを自社リソースだけで日常的に監視し続けるのは容易ではありません。
不審な流通の早期検知や迅速な排除手続きを進めるにあたっては、自動監視システムなどを備えた専門のサービス提供企業へ相談・委託することも有効な選択肢です。
模倣品への対抗策は、市場の流通状況を精査し、客観的な証拠を確保した上で、警告状の送付や行政摘発、法的措置へと段階的に進めるプロセスが基本となります。
被害の全体像と流出経路を正確に把握することで、自社の権利を効果的に保護する手段を選択しやすくなります。
主要なECモールや各種SNS、検索エンジンのインデックス、あるいはサプライチェーン上の取引先から寄せられる情報などをもとに、模倣品がどのチャネルで、どの程度の規模、どのような仕様で流通しているかを徹底的に調査します。
その際、国内市場のみならず、海外のECプラットフォームや越境ECサイトも含めてグローバルに確認を行う体制が重要です。
将来的な損害賠償請求や差止請求などの民事対応、あるいは刑事告訴を見据えて証拠を確保する際は、Web上の販売ページを記録するだけでなく、実際に製品を購入して「現物」を保全する試買調査が極めて有効です。
製品本体やパッケージ、配送伝票、領収書などを一連の証拠として厳重に管理。
証拠としての客観的な信憑性を高めるため、公証人の認証やタイムスタンプ技術を活用するケースもあります。
模倣品の製造拠点や主要な流通経路、販売事業者の身元が特定できた段階で、所管の行政機関への摘発申請や、特に悪質な事案においては刑事告訴の提起を検討します。
被害の規模や事業への悪影響度、相手方の悪質性を総合的に勘案し、適切な法的手段を選択して対処する手順です。
海外の製造拠点から国内へ非正規品が流入している事実、またはその懸念がある場合は、税関への輸入差止申立が実効性のある防衛策となります。
水際段階で流通を遮断できれば、国内の市場に拡散される前に被害を低減することが可能となります。
不法な販売元や配送元が判明している場合は、弁護士や弁理士名義で警告状を送付し、並行して継続的なモニタリングを実施することで再出品や別名義での不法販売を抑制します。
オンライン上の出品は一度削除しても再発する確率が非常に高いため、単発の処置にとどめず、継続的な監視体制を維持することが運用の鍵です。
これらの事後対応に加え、事前にパッケージへ偽造防止技術やセキュリティラベルを導入しておくといった予防策も、中長期的なブランド保護において大きな役割を果たします。
被害が潜在化・拡大する前に適切な防衛策を講じることで、自社の知的財産や企業価値を守り、消費者の安全とブランドへの信頼を強固に維持することへと繋がります。
「ECモールに見覚えのない出品者が現れた」「削除しても追いつかず、法的対応が必要になってきた」「自社を騙る偽サイトや偽アカウントが出てきた」…。インターネット上の模倣品被害は、大きく3つのパターンに集約されます。パターンによって取るべき対策が異なるため、目的別におすすめの会社を3社紹介します。
※1 参照元:サカタブランドソリューションズ公式HPより、2026年5月調査時点
※2 削除申告は海外のみ対応しています。日本では法律で規制されているため、自社の顧問弁護士を介してご対応ください。
※3 参照元:IP FORWARD公式HP(https://www.ip-fw.com/1870898)