QRコードは、スマートフォンを使って製品の真贋を確認できる方法として、模倣品対策に活用されています。
特徴は、消費者がスマートフォンだけで正規品かどうかを確認できる手軽さにあります。専用の読み取り機器を必要としないため、購入した場所や自宅などで確認しやすく、一般消費者向けの製品にも導入しやすい点がメリットです。
また、消費者自身で正規品かどうかを確認できるため、専門的な知識がなくても製品の真贋を判断できます。手軽に確認できることで、模倣品を購入したことに気づかないリスクを抑えられる点もメリットです。
企業側にとっては、製品ごとに異なる認証情報を付与することで、個々の製品を識別できます。認証結果を管理できるサービスであれば、どの製品で認証が行われたかを把握できるため、不自然な読み取りが発生した際に模倣品の流通を発見する手がかりとしても活用が可能です。
さらに、既存の製品やパッケージにQRコードを付ける方法であれば、消費者側に専用機器を用意してもらう必要がありません。消費者の利便性と企業側の管理性を両立しやすく、一般消費者向け製品にも取り入れやすい方法と言えるでしょう。
QRコードは簡単に読み取れる一方、コード自体をコピーできる点には注意が必要です。
正規品のQRコードを複製して模倣品に貼り付けたり、偽のQRコードから詐欺サイトへ誘導したりするリスクがあります。QRコードを製品に印刷するだけでは、こうした不正利用を防ぐことはできません。
そのため、QRコード単体で真贋を判定するのではなく、認証システムと組み合わせて利用することが重要です。コピーされたQRコードが使用された場合にも不正利用を検知できる仕組みを設けることで、QRコードの利便性を活かしながら、安全性を高められます。
近年は、QRコードを用いた真贋判定の安全性を高めるため、認証情報を暗号化する技術が使われています。QRコードに記録するシリアルナンバーなどを暗号化し、認証時にデータベースと照合することで、番号をそのままコピーして利用されることを防いでいるのです。
また、QRコードの読み取り回数を制限し、同じコードが複数回読み取られた場合に警告を表示する方法もあります。正規品とは異なる場所や状況で同じコードが読み取られた場合など、不自然な利用も検知できます。専用アプリを経由して認証する方法では、偽の真贋判定サイトへの誘導を防ぐことも可能です。
さらに、特殊なインクやホログラムなど、QRコード以外の偽造防止技術を組み合わせる方法もあります。複数の技術を組み合わせることで、QRコードのコピーだけでは再現できない認証手段を設けることが可能です。製品の特性や必要なセキュリティ水準に応じて、適切な技術を組み合わせることが重要です。
ダイネーゼでは、偽造品がサプライチェーンに流入し、顧客の安全や信頼、ブランド価値、収益に影響していました。導入前は製品に認証セキュリティ機能やラベルがなく、顧客が正規品かどうかを確認することが困難でした。また、並行輸入や未申告の製造なども確認され、正規品と偽造品を区別するとともに、サプライチェーン全体を把握することが課題となっていました。
ハングタグやラベルに固有のQRコードと識別情報を付与。消費者がモバイル端末から正規品の認証や製品情報の確認、保証登録を行える仕組みを導入しました。加えて、認証システムと光学セキュリティ技術を組み合わせ、未検証の識別情報や同一識別情報への複数回の認証を検知すると、偽造品アラートを発生させることが可能になりました。サプライチェーン全体の製品追跡にも対応しています。
参照元:サカタブランドソリューションズ|ダイネーゼ模倣品対策およびトレーサビリティプログラム[※PDF](https://sakatabs.com/docs/b9f1c59397ac5597ff2a5763fd9c54d93e19a5fd.pdf)
井田ラボラトリーズが販売する「CANMAKE/マシュマロフィニッシュパウダー」およびリフィルには、凸版印刷の「ID-NEX®真贋判定サービス」が採用されています。
化粧品業界では、人気商品を中心に模造品や不正流通品が増加しており、品質管理が不十分な商品による不具合などが問題となっていました。こうした課題に対し、スマートフォンで購入者が簡単に真贋判定できる利便性やクラウドサービスによる導入費用の低さなどが評価され、採用に至っています。
参照元:TOPPANホールディングス|凸版印刷、QRコード真贋判定サービスがコスメブランドで採用(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000328.000033034.html)
QRコードは、消費者がスマートフォンで正規品かどうかを確認でき、企業側でも製品ごとの認証情報を管理できる模倣品対策です。一方、QRコード自体はコピーできるため、単体で利用するのではなく、暗号化や読み取り制限、光学セキュリティなどを組み合わせることが重要です。
自社製品に必要な安全性や運用方法を踏まえ、真贋判定やトレーサビリティに対応したサービスの導入も検討しましょう。
「ECモールに見覚えのない出品者が現れた」「削除しても追いつかず、法的対応が必要になってきた」「自社を騙る偽サイトや偽アカウントが出てきた」…。インターネット上の模倣品被害は、大きく3つのパターンに集約されます。パターンによって取るべき対策が異なるため、目的別におすすめの会社を3社紹介します。
※1 参照元:サカタブランドソリューションズ公式HPより、2026年5月調査時点
※2 削除申告は海外のみ対応しています。日本では法律で規制されているため、自社の顧問弁護士を介してご対応ください。
※3 参照元:IP FORWARD公式HP(https://www.ip-fw.com/1870898)